近づけばおぼろげに揺れる

君と見たいスペクタクル

私の好きなアイドルの話

アイドルが、好きだ。数多のライトに照らされて、その姿はまるで内側から発光しているかのような輝きを放つ。でもその輝きは、他でもない彼ら、彼女らが自らを磨き続けて、時にはごく当たり前の人間らしい生活を犠牲にしていることで生まれている。その輝きをこうして自分勝手に享受することを私に許してくれるアイドルたちには「ありがとう」なんて言葉ではとても足りない。

 

聖書に「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」という言葉があるのだけれど、この「自分の命を捨てる」という言葉は文字通り自分の命を犠牲にすることとは少しニュアンスが違っていて「自分の時間を友(他者)のために捧げること」を意味している、自分の時間を割いてその人のために捧げていることこそが愛だと母校のシスターが言っていた。当時中学生だった私はこの言葉を聞いたとき、真っ先にアイドルとそのファンの存在が脳裏をよぎった。

「アイドルとはラブである。」という指原莉乃さんの言葉があるけれど、その言葉通り、アイドルとは愛なんだと思う。「自分の時間を他者のために捧げている」という聖書の解釈はアイドルそのものに思えてならないし、(私はファンという立場を武器のように振りかざす人間にはなりたくないと思っているからこの言葉が乱用されないと良いなと思うのだけれど)「自分の時間を他者のために捧げている」という解釈には、アイドルを愛するファンもまた含まれるのだと感じる。アイドルと同じ空間にいる時間だけではなくて、液晶越しにアイドルに恋焦がれる時間や言葉を選びながら彼らへの「すき」を綴ったり彼らのことを考えたりする時間も「愛」であるから。

 

指原莉乃さん*1は先程の発言と同会見内でこんな言葉も残していた。

自分が経験してきて、アイドルという仕事は簡単なものではなく大変なものですが、その アイドルという仕事も愛さなければならない (中略)と感じた

 

 

私は私の理想のアイドル像をHey! Say! JUMPの中に見ている。私の中ではHey! Say! JUMPこそがアイドルだと思っているけれどそれは人によって違うんだと思う。AKB48こそが真のアイドルだと思う人もいるだろうし、嵐こそがアイドルの完成形だと思っている人もいるだろう。きっと。

私の理想のアイドル像のひとつが「アイドルという仕事に矜恃を持っていること」、指原莉乃さんの言葉を借りるならば「アイドルという仕事を愛していること」。アイドルに求めることという問いの答えは、アイドルオタクが100人いれば100通りあると思うけれど私がアイドルに求めることの中で一番重要視しているのがこれだ。

そして私は、大好きなアイドルたちを生み育てたジャニーズ事務所のことも心の底から愛しているしいわゆる「ジャニーズブランド」にこの上ない執着がある。良くも悪くも。

だからたとえそれが照れ隠しであっても、「ジャニーズっぽくない」「アイドルらしくない」をプラスの意味で使って自身のアピールポイントとしているアイドルを見るとどことなく悲しくなってしまう。*2もちろんそういうアイドルもいるからこそ面白いのだけれど、私の担当にはきっとならない。

私の「アイドルである自担G」への執着は自分でも異常とも思えてしまうときがあって、「アイドルらしからぬ」を全面に押し出すような路線変更が起きると激しく動揺してしまうし、でも自担Gが供給してくれたものに対して複雑な心境を抱いてしまう自分のことが一番嫌で自己嫌悪死してしまうのだけれど最近StupidがGYAO!で配信されたときはまさにこの現象が起きて死んでいた。かっこいい曲も大好きだしBANGER NIGHTのときもそんな違和感に苦しんだりはしなかったんだけどなんだったんだろう……公開されたときはこれが両A面シングルになるんだろうなって思ってたからシングルでこの曲が出るというのに動揺したのかもしれない。結局毎日聞いているうちに好きになってきてStupidとは和解したのだけれど(和解とは)公開日に書き殴ったはてブロの下書きがまあひどい。

「寂しいから自担Gには売れてほしくない、と言うタイプのオタクのことを理解できないと思っていたけれど、世界進出なんてしなくていい、日本のアイドル、ジャニーズの中でトップを取ってくれたらそれでいい、ずっとジャニーズという既存の枠の中にいてと思ってしまう私も結局自分自身が軽蔑していたような自分のエゴに囚われて自担Gが売れることを喜べないオタクのひとりだったのかもしれない」……みたいなポエムが残されていた。怖い。数週間後のわたしからこのときのわたしに何か言葉をかけるならば、本当に落ち着いてほしい。自分が選んだ自担Gをもっと信じろ。

 

Stupidの唐突なGYAO!配信開始のほとぼりも冷めぬ頃、ニューシングル「Last Mermaid...」の詳細が発表されてカップリング曲の視聴が開始した。こんなオタクでごめんね……と思いながらStupidがカップリングと聞いて心底安心してしまったし、初回1のカップリングであるLove me PLZを聞いて私は電流が走ったかのような衝撃を受けた。

ここからは本当に憶測の域を出ないのだけれど、Stupidが初回2のカップリングに留まったこと、そしてこの挑戦的なシングルにLove me PLZを敢えて入れてきた(しかもメイン購入層が既存オタクであろう初回1に)ことに私はハッとしてしまった。私みたいな自分勝手なオタクがいることまでも彼らに見透かされていたような気がした。Stupidのような曲をいきなり表題に引っ提げて勝負してしまうと新規ファンもおそらく増える反面ついていけない…と思ってしまうオタクがいることも、彼らはわかっていたんだろうか。そう思えば思うほど彼らの福利厚生に感謝する一方で彼らの足を引っ張ってしまっているようで罪悪感があるし、こんなオタクの戯言なんて時には無視して突き進んでほしいという思いもあるけれど……オタク心ってほんとに複雑でわがままだね。

圭人りんが留学してからのここ2年は特に、グループ全体のスキルアップを図ったり挑戦的な楽曲が増えたりときっとグループ史を後から振り返ったときにターニングポイントとなるであろう期間なんだと思う。挑戦なくして新規ファンの増加はないだろうし、挑戦を厭わないJUMPはほんとに仕事人でかっこいい。でも「Last Mermaid...」の“異種格闘技のような5曲”を聞いていると(まだサンプルだけだけれど)どのタイプの楽曲が好きなオタクも置いていかない構成になっていてさらに舌を巻く。物心ついてからずっとアイドルが好きな人間としては、見る人全員を納得させるコンテンツなんて不可能だから……と思ってしまうけれど、Hey! Say! JUMPを見ているとこの人たちはその不可能を本気で追求してるんだろうなと思うときがある。批判されることが多いところどころ保守的なセトリもその想いの裏返しになってしまってるんだろうなとも。

 

松岡くんのラジオTOKIO WALKERでの「(Hey! Say! JUMPは) “ああ、ちゃんと割り切ってプロとしてアイドルやってんだコイツら”っていうカッコよさがすごいな、偉いなと思ったの」という言葉が話題を呼んでいた。「プロとしてアイドルしている」というのはどういうことか、Twitter上でいろんな方のいろんな解釈を見たけれど私はHey! Say! JUMPの「アイドルという仕事に誇りを持っているところ」、「歳を重ねても“王道のアイドル”と見られることを嫌がらないところ」、このStay Home期間中に実感することが多かったけれど「ファンのために時間を割いてくれることを厭わないところ」、そしてこの「ファン全員が満足できるコンテンツをまっすぐなほどに目指しているところ」の4つがもうプロのアイドルというほかないなと思う(怒濤の伏線回収!) 自担Gには甘いのでもうこのままだと自担Gはなまる満点じゃん……って惚気モードがスタートしてしまうからこのあたりで締めよう。

 

道草しかしてない冗長ブログになってしまったけれど、私が言いたいのは私の中では*3Hey! Say! JUMPこそがアイドルだしHey! Say! JUMPは9人それぞれベクトルが違うアイドル力の高い人たちの集まりだしHey! Say! JUMPは最高のアイドルだよ(号泣)(突然語彙を失う)

あとタイトルもうちょいなんとかならなかったんか。「○○さんはいつも良い文章を書くのに締め方が雑だし壊滅的にタイトルを付けるセンスがない」ってかつて母校の先生に言われたことがあるけどその通りすぎるし本当に成長してない。

あと結局現時点で今回のシングルのカップリングではLove me PLZの次に好きなのは悔しいかな(?)Stupidなので私はへいせいじゃんぷキミの思い通りだよ……次にこういうアクションがあったときはもっと純粋に喜べるように頭固いオタク精進するね……Love me PLZ入れてくれてほんとにありがとうね……欲を言えばまたプリティでキュアキュアなシングルをあと1回だけ見たいな……結局締め方がわからなくなったので最後にStupidのリンク貼っておきます。

 

https://gyao.yahoo.co.jp/player/11371/v00004/v0000000000000000003/

 

*1:指原P信者なので度重なる発言の引用を許してほしい

*2:私の元担を知っている方からするとお前の元担全然ジャニーズっぽくないやんけ👊🏻と言われそうだけれど、彼は「アイドルがどんなもんか見せてやるよ」という名言を残している

*3:ここ大事、人には人のアイドルがいる