クランメリアは2020年版Masqueradeだ
1.まえがき(Masqueradeとクランメリアと歌詞深読みオタクの戯言)
唐突だけれど、Masqueradeのキラーフレーズは伊野尾慧さんの「堕ちてごらん」、それに対してクランメリアのキラーフレーズは知念侑李さんの「離さないで」だと思っている(どちらもあくまで私見)。
まずはこのMasqueradeと「堕ちてごらん」について歌詞深読みオタクの勝手な解釈を書いておこうと思う。
2016年のHey! Say! JUMPというのは(その時期に追っていない自分が語るのも恐縮だけれど)もうここから上り詰めるしかないというワクワク感があったり、より多くの人の目に触れる機会が増えた時期でもあった。今までHey! Say! JUMPに触れてこなかったお茶の間の人たちをHey! Say! JUMPという名の館に招待するよ、という意味合いもアルバム「DEAR.」をはじめとするこの時期の楽曲には込められていたんじゃないかな…とか。
「今までHey! Say! JUMPに触れてこなかったお茶の間の人たち」に対して「Hey! Say! JUMPという名の館へ招待」しているMasqueradeという楽曲の中で「堕ちてごらん」と誘惑する2016年のHey! Say! JUMP……
痺れる。
天才だ、、これだから私はアイドルソングが好きなんだ。この時期のアイドルにこれ歌わせる/歌わせたか、、!と震える瞬間が好きだ。ジャニーズ以外の楽曲についてとことん無知なのでこれはジャニーズに限る話ではないのかもしれないけれど、ジャニーズの楽曲はそのときのそのグループの状況と歌詞がリンクしていることが少なくない(と私は感じている)。それは制作サイドが意識したであろうものもあれば無意識であろうものもあると思う。そしてこれからこのMasqueradeと比較するクランメリアは、間違いなく後者だと思う。だけれども私はクランメリアを初めてフルで聞いた瞬間「これは2020年版のMasqueradeだ」と感じた、それは事実なのでその気持ちをここに書き残しておきたいと思って筆を起こした。
あとは、私自身ジャニショで耳にしたMasqueradeきっかけでHey! Say! JUMPが気になりはじめたのだけれども(それについてはHey! Say! JUMP沼に浸かって気がつけば3年経ったというお話(自己紹介) - 近づけばおぼろげに揺れるで詳しく回顧した)、
クランメリアが、あのとき私がMasqueradeを聞いたときに感じたのと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上の衝撃を誰かに与えることのできる楽曲だと感じたからという理由もある。良曲なのになかなか地上波で披露する機会に恵まれにくい立ち位置の曲であるところも似ている(そんなところは似なくていい)。
2.Masquerade~堕ちてごらん~
先述したように2016年のHey! Say! JUMPは「注目度No.1グループ(By TOKIOカケル 2017年)」だった。Jrはこの頃KINGとPrinceを筆頭に10組戦国時代でメラメラ燃えている空気は私も感じていたが、今のアイランド社ができてからのJrの状況とは露出も知名度も全然違っていた。と思う。King & Princeもまだデビュー前だった。
「堕ちてごらん」というキラーフレーズに象徴されるようにこの曲の歌詞にはどこか余裕さえ感じられる。堕ちるかどうかはあくまでコンテンツの消費者側に委ねられているけれども、その言葉の奥には「そちらがその気になったらもう元には戻れないほどのコンテンツを用意していますよ、こちらにはその自信がありますよ」という矜恃が滲んでいるような。まさに「キラリと燃える眼差しが キミを情熱的に誘う」。
話が逸れるけれど「リアルもマボロシも混ざり合うくらいに」はアイドルという存在を体現するような歌詞だと思う。ファンからアイドルに向けられる眼差しは、きっと「リアルもマボロシも混ざり合」っていることも多いから。
ハラリと覗く恋心 僕の指先は見逃さない
本音もウラハラも絡み合うセリフに香水をしのばせて Your Heart Your Heart 奪いに来た
もう帰さない恋のマスカレード 全てを委ねてごらん 誰もが夢見るエスコート 僕なら 叶えてあげる
担降りソングじゃん……(Hey! Say! JUMPへの担降りを奨励する方)
「僕なら叶えてあげる」
うーーん、この時期のHey! Say! JUMPが歌うアイドルソングとしてあまりにも完璧。「堕ちてごらん」のソロパートを、2015~2016あたりのHey! Say! JUMPフィーバーを象徴する存在であった伊野尾慧さんが担当しているのもアツい。
でもこれから比較するクランメリアと比べるとどこかところどころに若さを感じる歌詞。
歌詞の話ばかりしていたけれどサウンドも圧巻。勢いがあるし、華やか。対してこれから書くクランメリアは、間奏に同じ系譜を感じさせつつもイントロのギターが退廃的な雰囲気を醸し出している……
ということでクランメリアの話をします。(やっと)
3.クランメリア~離さないで~
対して2020年のHey! Say! JUMP。私個人の感情は抜きにして、客観的に見てもMasquerade以降に新しくデビューしたグループやJrの活躍はめざましく、Hey! Say! JUMPからそれらのグループに担降りする人も掛け持ちを始めた人も数多く見かけた。
急激にファンの母数が減ったとかは思わないし(4大ドームツアーを成功させ、シングルも初週20万枚台を今のところキープしているので)今年はなんと言っても岡本圭人くんが帰国するので私はそこまで現状を悲観してはいないけれども、2016年にHey! Say! JUMPを取り巻いていた状況とは良くも悪くも変わってしまった。と思う。
2016年のHey! Say! JUMPのスタンスが「堕ちてごらん」だったのに対して、2020年のHey! Say! JUMPのスタンスは「離さないで」なのかと思ったとき鳥肌が立った。
「堕ちてごらん」と同じように選択権はこちらに委ねられているけれど、「離さないで」にはどこか縋るような、でもそれでいて「今目を離したら後悔するよ」という眼差しも感じられる。それはHey! Say! JUMPの矜恃である。彼らを取り巻く環境はあまりにも変わってしまったけれど、Hey! Say! JUMP自身は良い意味で何も変わっていない、のかもしれない。彼らは2016年にも増して歌もダンスもスキルアップした。気持ちが(Hey! Say! JUMPを好きになるかどうかで)揺らいでいる人に対して「堕ちてごらん」と囁いてきた2016年も、そして気持ちが(Hey! Say! JUMPから離れるかどうかで)揺らいでいる人に対して「離さないで」と呟いてきた2020年も、
選択権はあなたにある。でも、僕たちを選んでくれたら後悔はさせないから。それだけのコンテンツを用意している矜恃はあるから。
と甘いマスクの裏側に野心を滲ませて訴えかけてくる彼らについて行くしか私には選択肢がないのだ。
「特別な夜を授けよう」と誘う彼らは、「僕なら叶えてあげる」と誘ってきたあのときの彼らと軸は何も変わらないまま、大人になったまさに2020年版のMasqueradeなのではないか。
(あと急に偏差値下がる発言するとラスサビ前の間奏めっちゃMasqueradeじゃないです???)
(ここからは余談)クランメリアは男女の歌だけれど、この歌詞を勝手にアイドルと彼らを取り巻く環境に重ねて解釈するならば、
静かに降り注ぐ甚だしいくらいの無数の刃に
溢れる詭弁と涙の理由も見出せずに
淀む未来 眩む世界 バラバラになったこの心と
仄暗い痛み 嘆き 苦しみ 愛でるように
甚だしいほどの無数の刃を向けられることも多々あるアイドルが、「淀む(自分たちの)未来」も「眩む世界(芸能界)」も「バラバラになったこの心」も痛みも嘆きも苦しみも愛でよう、と歌ってくれることに私はうっとなった(重ね重ね言うけれどこれは本当に私の勝手な解釈)。
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いつにも増して長文駄文ですし自分勝手な解釈なのでここまでお付き合いいただいた方本当にありがとうございました。異論大歓迎ですのでぜひ他の解釈された方はコメントもお待ちしております。なぜか今回の記事、である調になってしまいましたが特に他意はありません。笑